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2005.12.18

消費税簡易課税制度選択届出書の取り下げの可否

「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出し、翌課税期間開始の日前に取り下げすることが可能か否か?
実務ではあまり遭遇しない事案ですが、全くないとも言い切れないです。

不動産賃貸業等、通常は簡易課税が有利な事業の場合、提出漏れを防ぐため早々に届出書を提出することはあり得ます。その後、良い物件があったので翌課税期間(簡易課税選択課税期間)に不動産を取得することになったと相談を受けたら...
この不動産の取得で、翌課税期間の消費税額が還付若しくは明らかに簡易課税で納める消費税額より軽減されると試算されたら取り下げを行うしかない訳です。そこで取り下げが出来るのか否か?
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【不可とする考え方】
■「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出について瑕疵がなければ、その提出された届出書は有効であり、原則として取り下げは認められない。
■根拠法令等:消費税法37条
■「税相版 誤りやすい事例集」
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【可能とする考え方】
■簡易課税選択届出書の取り下げについて
この点については、二つのことが考えられる。第一の考え方は一般的には申告、申請、届出は提出期限前であれば、これを取下げ又は差し替えることができることになっているので、この簡易課税選択届出書も同様に取り下げることができるとするのである。

第二の考え方は、簡易課税選択届出書においては期限というものはなく、一定の日前にこれを提出すれば効力が生ずるのであり、すでに効力(翌課税年度からは簡易課税ができるという効力)が生じているのであるから、これを取り下げることはできないとするのである。
つまり、消費税法37条においては、この届出書を提出すれば当該届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間からこの簡易課税を適用すると規定している。
(中 略)
前述のように「効力」とは効果を及ぼすことができる力ないし効果を及ぼすことができる状態にあることをいい、「効果」とは法律上又は事実上生ずる一定の結果をいう。
両者は、結果を発生させる「要素」と「結果」という関係にある。第二の考え方は、この法律上の「効力」と「効果」を混同したものであり、簡易課税選択届出書提出の効力は当然その提出の日に生ずるが、その効果は適用開始となる課税期間に入って初めて生ずるのである。

したがって、「法律上の効果が生ずれば撤回ができなくなる」という解釈が正しいのであり、「効力が生じているから撤回できない」という解釈は適当でない。
(中 略)
結論として、以上により当該課税期間の末日までは取下げができることになる。
■「第一法規出版 コンメンタール消費税法」
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続いて...
■経過措置適用事業者以外の者の取下げについてのQ&A
今回の取下げの取扱いは、簡易課税制度の適用を受ける課税期間に入ってからの取下げを認めるものですが、経過措置適用事業者以外の者については課税期間内の「消費税簡易課税制度選択届出書」の取下げは認められないのですか。

■回答
今回設けられた経過措置は、新たに課税事業者となる小規模事業者が簡易課税制度を含めた改正後の消費税の仕組みに円滑に対応するためには、充分な準備期間を確保する必要があること等から、移行期の特例的な措置として、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出できる期間内についての取下げを認めることとされたものです。
したがって、経過措置の適用のない事業者は、原則どおり簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間開始前に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があり、また、簡易課税制度の適用課税期間開始後の取下げは認められません。

"簡易課税制度の適用課税期間開始後の取下げは認められません"と書かれているので、裏読みすると開始日前までは可能と読めるのですが...?

規定上は取り下げの法的手続きがないので"不可"となるようですが、実務的には所轄レベルで錯誤の申し出を行えば取り下げには応じてもらえるようです。
取り上げ事案に遭遇したときは、所轄に出向いて相談してみることですね。
出来れば条文ではっきりさせて欲しい所です。

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2005.12.11

18年税制改正の噂

来年度の税制改正では留保金課税の撤廃と抱き合わせで、同族会社のうち一定の縛りを設け、それに該当する法人の役員への報酬に対する給与所得控除を大幅に削減するという案が浮上しているそうです。

今聞いている範囲の情報では、留保金課税を逃れるために役員報酬をお手盛りで増額している同族会社で、給与所得控除のうち一定の金額を法人税別表で加算するというもの。対象法人は法人所得+役員報酬が3,000万円以下の会社が適用対象になるという情報もあります。

真意は15日発表の18年税制改正大綱で明らかにされる事でしょう...

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2005.12.10

不動産賃貸料の算定

同族会社では、個人所有の不動産を同族法人に貸し付けたり、同族会社間で賃貸契約を締結することは多いですよね。そこでいつも悩むのは賃貸料の算定です。近隣同規模、同水準の実勢値を参考にしたりしますが、山本守之先生の「税務形式基準と事実認定」という書籍に賃貸料算定の参考になる算式が掲載されているそうです。算式は下記の通りです。

■適正賃料=不動産の再取得価額×期待利回り 8%+必要経費(減価償却費、租税公課、損害保険料、維持管理費)
(注)維持費:建物取得価額の2%
   管理費:適正賃料の2%
   減価償却費は定額法

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2005.12.04

有限会社の駆け込み設立

新会社法が施行される5月迄に、わざわざ資本金300万円を用立てて有限会社を設立するメリットは...
□役員の留任登記が不要
□公告義務がない(中小企業の株式会社も実質公告は行っていないですね)
□現行の消費税法では新設法人に該当しないため、消費税が最大2年間免除される

最後の新設法人ですが、新会社法絡みの消費税改正が2006年で行われるのか否か、現時点では全く情報なしです。
個人的には株式会社に拘らない法人設立を考えておられる方には、現行での有限会社設立をお勧めしています。
1円の資本金で会社を設立しても運転資金が回るはずもなく、個人借入金として資金を投入するのであれば資本金を積むのと何ら変わりない訳ですよね。
ケースバイケースですが、相談を受けた時こんなお話をさせて頂いてます。

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